犬に必要な栄養はどんなものなのかわかりやすくご紹介します。
五大栄養素とは
栄養素
【栄養素】は
- 体を動かすエネルギーのもとになるもの
- 体を作るもとになるもの
- 体の調子を整えるもの
等に分類されます。
小学校5~6年生の家庭科で習った【五大栄養素】は覚えていますか?
【五大栄養素】とは、『生きていくのに必要な5つの栄養素』のことで、次のようなものがあります。
炭水化物
脂質 エネルギー・体を作る
たんぱく質
無機質(ミネラル)
ビタミン
*エネルギー、身体を作る、身体の調子を整えるはわかりやすく分類したものでそのほかの働きもあります。
五大栄養素に『水』を加えて【六大栄養素】といいます。
人と犬の栄養素の違いは
人も犬も【五大栄養素】は①炭水化物、②脂質、③たんぱく質、④無機質(ミネラル)、⑤ビタミンであることは同じです。
必要とする栄養素の割合を見ていくと、下の表のようになっています。
【出典:環境省・飼い主のためのペットフードガイドライン抜粋】
環境省の飼い主のためのペットフードガイドラインを参考に見てみると、人間が必要な割合と似ていますが、たんぱく質や脂質の割合が人間より犬が多くなっていることがわかります。
ちなみに、猫ではたんぱく質と脂質の割合が半分以上になっていて肉食の必要な動物だとわかります。
年齢や健康状態、運動量などの違いによって必要な栄養の量や割合は違いますので、気になる場合は獣医師の先生に相談されることをお勧めします。
犬に必要な栄養素をもっと詳しく
犬とたんぱく質について
犬の筋肉や骨、皮膚を作ったり、エネルギーとしての働きをしているのが「たんぱく質」です。たんぱく質は21種類のアミノ酸が連結してできています。
犬にとっての必須アミノ酸は10種類あります。ちなみに人の必須アミノ酸は9種類でアルギニンは含まれていません。猫は犬の必須アミノ酸にタウリンが加わり11種類になっています。
アルギニン、ヒスチジン、イソロイシン、バリン、ロイシン、メチオニン、スレオニン、リジン、トリプトファン、フェニルアラニン
たんぱく質が含まれている食品には主に肉類、魚介類、卵類、大豆、乳製品などがあります。
たんぱく質が不足すると
成長期の子犬は骨や筋肉を作る大事な時期なのでたんぱく質が不足すると、しっかりとした体が作れず成長不良になってしまうことがあります。
成犬では体重が減少したり、体力が落ちる、抜け毛や毛のパサつき、皮膚の乾燥などが起こり、病気にかかりやすくなったりしてしまいます。
たんぱく質を過剰に摂取すると
いろいろな働きのあるたんぱく質ですが、必要以上に多く摂りすぎてしまうと、犬の内臓に負担がかかってしまいます。
犬の腎臓や肝臓に負担がかかってしまい、腎機能障害や尿路結石の原因になることもあります。
犬に必要なたんぱく質とAAFCO基準については、別の機会にお話しします。
犬と脂質について
脂質はエネルギーとしての働きや、体温の維持、犬の体の細胞膜の成分やホルモンの材料になっています。
ドッグフードに使われている脂質(脂肪)の原材料は動物性脂肪と植物性の脂肪の2つがあります。
脂質が不足すると
皮膚や被毛の状態が悪くなり、フケ症、被毛の乾燥、脱毛などの原因になってしまうこともあります。
妊娠中の犬が脂質が足りない場合には、おなかの中の子犬に奇形のや死産のリスクもあります。
脂質を多くとりすぎると
犬が脂質を多くとりすぎると肥満・高脂血症・膵臓疾患・肝臓疾患のリスクが高くなってしまいます。
犬と炭水化物について
炭水化物は「糖質」「食物繊維」の総称で、ブドウ糖や果糖などの単糖を構成成分としている有機化合物の総称です。
犬の体で炭水化物は主にエネルギーとして働いています。
犬とビタミンについて
犬の体でビタミンは体調を整える働きをしています。
犬に必要なビタミンには次のようなものがあります。
水溶性ビタミン | ビタミンB1(チアミン)・ビタミンB2(リボフラビン)・ビタミンB3(ナイアシン)・パントテン酸・ピリドキシン・ビタミンB7(ビオチン)・ビタミンB12(コバラミン)・葉酸・ビタミンC |
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脂溶性ビタミン | ビタミンA・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンK |
犬とミネラル(無機質)について
ミネラルとは体を構成する酸素、炭素、水素、窒素以外のものをいい、犬の体の中で体調を整える働きをしています。
ミネラルの役割として骨や歯の成分、体液の浸透圧のバランスの維持、細胞・神経・筋肉の伝達などがあります。
犬の必須ミネラルはカルシウム・リン・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・クロール・鉄・亜鉛・銅・ヨウ素・マンガン・セレンなどです。
犬の栄養のまとめ
犬の栄養について、簡単に説明しました。私たちにとっても、大切な愛犬にとっても食事から摂取できる栄養は健康な体を作り、生活していく上で大切なものです。
犬は食事を選ぶことができないので、私たちが選んで与える必要があります。
栄養素についての詳しい説明は別の機会にまたお話ししたいと思っています。お楽しみにお待ちください。